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パニック状態

 

 

 

 

土門先生からの最初のギターレッスン。

 

レッスン当日、予定時刻に遅刻しないようにと少し早めに家を出ました。

 

移動はロンドンの地下鉄。

 

多くの駅に、ミュージシャンが演奏できるスペースが設けられています。

ライセンス制で厳しいオーディションに合格した者のみがそこで演奏する事を許されているそうです。

 

土門先生はそのオーディションに日本人で初めて合格した凄い人。

 

そんな方からのギターレッスンを前に緊張しないはずはありません。

 

緊張の影響もあってか、途中でトイレに行きたくなりました。

 

まだ時間に余裕があった事もあり、乗り換えのタイミングで一度地下鉄を出てのんびりとトイレに向かったその時でした。

 

携帯がけたたましく鳴りました。土門先生からの着信です。

 

土門先生「あの~、時間過ぎてますが大丈夫ですか?」

 

私「え!?あの、14時でしたよね!?」

 

土門先生「ええ。14時ですよ。」

 

私「今まだ13時10分ですよね?あれ?!」

 

一体どういう事なのか‥

 

まさにパニック状態でした。

 

 

 

まさかの失態

 

 

 

 

 

土門先生のギターレッスン初日。

 

失礼がないようにと早めに家を出た私でしたが、レッスン予定時間よりもだいぶ早い時間に土門先生からまさかの電話。

 

土門先生「あの~、時間過ぎてますが大丈夫ですか?」

 

私「え!?あの、14時でしたよね!?」

 

時計を見ると時刻はまだ13時10分。

 

パニック状態の私でしたが、先生の次の一言で謎が解けました。

 

「今日からサマータイムってご存知でした?」

 

そうなのです。日本ではあまり馴染みがない事ですが、夏の日照時間が長い欧米諸国の多くでは、太陽の出ている時間を有効に使う為、標準時を1時間進ませるという制度があります。

 

毎年決まった日からサマータイムがスタートするのですが、奇しくもちょうどこの日がサマータイムのスタート日だったのです。

 

そういう制度がある事は以前から知ってはいたのですが、当時、テレビもラジオもほとんど利用しなかった私は全くその事に気づかなかったのです。

 

周りの人から教えてもらう事もなかった事から、当時いかに自分が孤独な生活をしていたかが思い出されます。

 

 

こうして、レッスン初日にまさかの失態を犯してしまった私。

 

電話を通し先生に平謝りを繰り返しながら、大急ぎで先生宅に向かいました。

 

頭の中で、鬼の形相の先生をした思い浮かべながら‥

 

 

 

 

 

まさかの低姿勢

 

 

 

 

土門先生のギターレッスン初日、私はまさかの失態を犯してしまったわけですが、

 

先生宅に着くと先生は全く怒った素振りも見せず優しく迎え入れてくれました。

 

ミュージシャンの中には気難しい人も多くいそうですし、土門先生の場合も繊細なギター演奏のイメージから性格も繊細なのではないかと思っていました。

 

ところが、実際お会いすると全くそのような印象はなく、気取らずむしろ低姿勢な位の態度に驚いてしまいました。

 

本当に力がある人ほど大きな態度をとらないとよくいいますが、まさにそのような感じです。

 

おかげで私の緊張もほぐれリラックスしてギターレッスンに望む事ができました。

 

 

そして、レッスンの冒頭に思いもしなかったサプライズまでありました。

 

 

 

 

 

あのギターで

 

 

 

 

 

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